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    記憶に残る一台。

    SKYLINE GT-R[1989年8月発売 日産スカイライン GT-R]

    異次元の走りを支えた、
    勝つための先進技術。

    運動性能追求のためコンパクトになったR32型スカイラインのデビューは1989年5月。その3カ月後にデビューしたGT-Rには、280PSを発揮する2.6Lツインターボエンジンや電子制御4WDシステムのATTESA E-TSなど先進技術が数多く採用された。

    • 数多くの先進技術によって卓越した高性能を実現し、レースでは「GT-RにはGT-Rでなければ勝てない」といわれるほどの強さを見せつけた。
      ※グループA、N1耐久ともに量産車種をベースに改造したクルマのレース。

    • SUPER HICASは、電子制御によりハンドル操作にあわせて前輪だけでなく後輪も操舵することで、クルマの曲がりやすさと安定性を両立させるシステム。

    • スポーツ・コクピットと呼ばれたハンドルまわりは人間工学に基づいて操作系や計器類をレイアウト。ドライバーとクルマの一体感を重視した設計だ。

    歴代GT -Rはどれも、強い憧れをもって語られる超高性能車だ。同時に、その歴史はモータースポーツとの関わりを抜きにして語れない。第8世代のスカイラインをベースに開発が進められ、16年ぶりにその名が復活した3代目、GT-R R32型も、国内ツーリングカーレースの最高峰・グループAカテゴリーにおいて29連勝という金字塔を打ち立てた。

    前後マルチリンクサスペンション、ATTESA E-TS、そしてRB26DETTエンジンなど、GT-Rに搭載されたメカニズムを俯瞰すると、それは当時の最先端技術の集合体のようだ。

    それは当時の最先端技術の集合体のようだ。なかでも7代目スカイラインが採用した世界初の4輪操舵システムの進化版“SUPER HICAS”は独創的だった。ハンドルの切り始めに一瞬後輪を前輪と逆向きに操舵することで、人間の感覚に近く曲がり、思い通りに操れるクルマを目指し、システムに電子制御を採用。車速やハンドルの切れ角を検知し、困難と考えられていた緻密なコントロールを実現した。こうした操舵の電子制御技術は進化を続けながら最新モデルにも活かされ、難題に立ち向かうチャレンジングスピリットもまた、開発の現場に脈々と受け継がれている。

    ※本記事は2015年12月2日時点の情報を元に作成されております。

    SKYLINE GT-R[1989年8月発売 日産スカイライン GT-R]

    異次元の走りを支えた、勝つための先進技術。

    運動性能追求のためコンパクトになったR32型スカイラインのデビューは1989年5月。その3カ月後にデビューしたGT-Rには、280PSを発揮する2.6Lツインターボエンジンや電子制御4WDシステムのATTESA E-TSなど先進技術が数多く採用された。

    RB26DETT(2.6Lツインターボエンジン)

    R32型スカイラインGT-Rが、開発当初からモータースポーツへの参戦を見据えていたことは、搭載されたエンジンがはっきりと物語っている。RB26DETT型 直列6気筒DOHCツインターボユニットの排気量は2.6L。少々中途半端な値に思えるが、これはグループAレースのクラス規定に合わせたものだ。ターボチャージャーなど過給機付きエンジンの場合、排気量の1.7倍が総排気量と決められており、4.5Lクラスに照準を定めたGT-Rのエンジンは、そこから排気量が導き出されたのである。
    市販車両として300PS前後、レース仕様では600PSを目標性能としたRB26DETT型は、まさに当時の日産のエンジン技術を結集した傑作だ。高出力、ハイレスポンスを両立したツインセラミックターボや、優れた冷却性能を確保するための大型空冷式インタークーラーをはじめ、6連スロットルチャンバー、ナトリウム封入中空エキゾーストバルブなど数多くのハイテクノロジーが採り入れられた。
    その完成度がいかに高かったかは、後継モデルであるR33型/R34型GT-Rにも基本構成を変更することなく搭載されたことからもおわかりいただけるだろう。そして高性能エンジンへの強いこだわりは、ハイクオリティを徹底追求し日産の「匠」たちが手作業で組み上げるR35型日産GT-Rの心臓 VR38DETTにおいてもまた、変わることがないのである。

    • 最高出力280PS/6800rpm、最大トルク36.0kg・m/4400rpmを発揮する
      RB26DETT型エンジン。3気筒ごとにひとつ、合わせて2個のターボを装着。タービンにはセラミックローターを採用。

    • 1988年10月には、フロントまわりがシルビアをベースに開発された車両をドイツ・ニュルブルクリンクのコースに持ち込みテストを重ね、パワーユニットやサスペンションの熟成を進めた。

    • 1992年の筑波ナイター12時間耐久レースには、標準装備のモノフォルムバケットシートのままで出場。さまざまな部分に市販車の枠を超えるポテンシャルが与えられていたことがわかるエピソードだ。

    ※本記事は2015年12月2日時点の情報を元に作成されております。

    SKYLINE GT-R[1989年8月発売 日産スカイライン GT-R]

    異次元の走りを支えた、勝つための先進技術。

    運動性能追求のためコンパクトになったR32型スカイラインのデビューは1989年5月。その3カ月後にデビューしたGT-Rには、280PSを発揮する2.6Lツインターボエンジンや電子制御4WDシステムのATTESA E-TSなど先進技術が数多く採用された。

    ATTESA E-TS(電子制御4WDシステム)

    高性能エンジンを搭載するR32型スカイラインGT-Rの開発においては、その圧倒的なパワーを確実に路面へ伝え、これまでにない質の高い走りを実現することも大きなチャレンジだった。そして、この課題をクリアするために生み出されたのが、ATTESA E-TSと名付けられた4WDシステムである。
    ATTESA E-TSは後輪駆動をベースにしながら、4輪それぞれに設けられた車輪速センサーと横G/前後Gを検知するGセンサーからの情報をもとに、走行状況に応じて前後輪に伝える駆動力の配分を変化させる電子制御を採用。これにより4WDならではの安定性とコーナリング時の曲がりやすさを両立させ、コントロール性を向上させている。さらに、4WAS(4輪アンチスキッドブレーキ)との総合制御によって高い制動性能も獲得し、さまざまな天候、路面状況において「走る、曲がる、止まる」を高次元でバランスさせたのだ。4WDシステムを柱に据えて走りをトータルにコントロールするという考え方は、現在のエクストレイルのALL MODE 4×4iにも活かされており、その先進性は注目に値する。
    一方、緻密な電子制御を行うための革新的なソフトウェアが、優れたハードウェアに支えられていることも見逃せない。それが複雑な構成を持つ前後マルチリンクサスペンションで、ATTESA E-TSやSUPER HICASといったテクノロジーとともに、あらゆる領域でドライバーがクルマを意のままに操れ、「走る楽しさ」を感じることができるハイパフォーマンスを実現したのである。

    左:ATTESA E-TS(Advanced Total Traction Engineering System for All Electronic - Torque Split)は、電子制御により走行条件に応じて前後輪の駆動トルクを前輪:後輪=0:100から50:50までの範囲で最適配分する4WDシステム。

    1990年から全日本ツーリングカー選手権に出場するため、500台限定で生産されたレース参戦車両のベースモデル「GT-R NISMO」。フロントバンパーに冷却性能向上を狙った開口部を設けたのが外観上の特徴。

    コーナリング中も常にタイヤを路面に直立させ、タイヤの性能を最大限に発揮させることで運動性能を高める前後マルチリンクサスペンションを採用。

    ※本記事は2015年12月2日時点の情報を元に作成されております。