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    パワートレイン開発本部 パワートレイン実験部 パワートレイン機能信頼性実験グループ

    1991年に日産に入社。現在と同じく四輪駆動車の評価を担当する部署に配属され、初代エクストレイルの開発にも携わった。
    「青森出身なので雪道の運転には自信がありましたが、当初は運転技術の習得に苦労しました」と振り返る。
    多い時には一日8時間も走り込んだ経験が、現在の揺るぎない自信につながった。

    どんな悪条件でも、理想の走りを実現する。

    瓦礫に覆われた山岳路を再現した悪路で、明珍敏行がテスト車両の足まわりを入念に確認する。ここは栃木県の茂木試験場。明珍の仕事は、四輪駆動システムの性能を評価することだ。コンパクトカーから大型のSUVまで、日産の四輪駆動車は明珍の「合格サイン」が出た時に、はじめて完成したことになる。開発で一番大切にしていることを尋ねると、明珍はこう答えた。「安心感と安定感を感じていただいた上で運転する楽しさを味わえるのが、私の理想とする四輪駆動車です」
    たとえば前輪駆動をベースにする四輪駆動車は、平常時はほぼ前輪だけに駆動力が伝わっている。

    ここでタイヤがスリップすると後輪にも駆動力が伝わり、四輪駆動となって安定を得る。「この時、あまり急激に後輪に駆動力を伝えるとショックが出て不快に感じます。逆にゆっくりすぎると、スリップが大きくなってお客さまに不安を与えてしまいます。駆動力をどのくらい伝えるかはコンピュータでも計測しますが、最後は私の感覚で判断します」
    明珍の体内センサーは、前後の駆動力の配分が1%違うだけで敏感に反応するという。そして、「雨の高速道路や雪の山道、さらには世界中の悪路で、私が理想とする走りが実現できる四輪駆動車を開発しているつもりです」と、言葉に力を込めた。

    ※本記事は2013年12月10日時点の情報を元に作成されております。