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    日産の匠たち。 文:サトータケシ photograph by Seiji Tonomura 日産の匠たち。 文:サトータケシ photograph by Seiji Tonomura

    TAKUMI 久芳憲治 Noriharu Kubo TAKUMI 久芳憲治 Noriharu Kubo カスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部
    カスタマーパフォーマンス&実験技術部 HMI実験技術開発グループ

    1989年に入社、現在と同じ人間工学を担当する部署に配属される。90年代半ばのナビゲーションシステムの普及とともに、操作系を直感的に扱うためのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)の重要性が認識されるようになったという。背後に映るドライビングシミュレーターは、コンピュータのプログラミングを独学しHMI実験装置として作り上げた久芳の労作である。

    優れた想像力で、リアルな運転環境を生み出す。 優れた想像力で、リアルな運転環境を生み出す。

     巨大なスクリーンに、高速道路が映し出されている。車体の動きも音もリアルに再現されるから、ドライバーは、アクセルやハンドルを操作すると、まるで実際に運転をしているような錯覚に陥る。この大がかりな実験装置は、久芳憲治が手がけたドライビングシミュレーター。
     クルマには、新しい機能が次々と搭載される。それらを安全に、直感的に操作できるように、久芳はスイッチの大きさや配置、画面表示の見え方などを定める役割を担当する。「たとえばスイッチの大きさを決める場合であれば、ミリ単位でサイズの違うスイッチの試作品をいくつも用意してドライビングシミュレーターで何度も実証実験を行って正解を出します」

     新機能を誰もが使えるものにするため、社内の専門家だけでなく、一般の方にも実証実験に参加いただき、意見をうかがう。「スイッチや画面表示が実車と同じように動かなければ、正しい実験結果は出ない」と久芳は語る。このため、実車同様に動く部品の製作に心血を注ぐのだが、実は簡単なことではない。設計やデザインの前の段階なので、インテリアのイメージ画などの情報から、想像力を働かせて実車と同じスイッチや画面表示の試作を手作りする必要があるからだ。久芳の想像力によって誰もが安全に、直感的に使える日産の新技術となりえるのだ。

    ※本記事は2016年12月1日時点の情報を元に作成されております。