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    ものづくりの現場 02 大型実車風洞 燃費性能の向上には、優れた空力特性の実現が必要です。

    人工的に風をつくりだし、クルマの実走行に近い状態を再現できる風洞。
    世界最大級の規模をもつ日産の大型実車風洞は、クルマの燃費に影響する空気抵抗低減に欠かせない施設です。

    風路に設置された主送風機。風は手前側に流れ、ループ状のトンネルのような風路を循環。風路内には熱交換機を設置し気流温度を10〜50℃に制御できる。

    風路に設けられた主送風機。直径は8mで、傍らに立つとその迫力に圧倒される。2200kWの出力を持つモーターによって最大風速270km/hを発生することができ、風路の反対側に設けられた計測部で、実車や原寸大の模型を用い、風の影響を確かめる。
    高速道路を利用したロングドライブが一般的になり、大型実車風洞はより重要な役割を果たすようになった。そして、大切な仕事のひとつがクルマの空力特性を評価することで、なかでも空気抵抗低減のために、さまざまな実験が行われている。クルマが走行するときの抵抗には、主に空気抵抗とタイヤの転がり抵抗があり、これらの抵抗を減らせば燃費がよくなる。転がり抵抗は速度域による変化は少ないが、空気抵抗は速度が上がれば上がるほど大きくなり、高速道路などでは燃費への影響が増す。たとえば100km/hで一定走行した場合、空気抵抗を10%減らせば、車種によって異なるが、約3〜5%の燃費向上が見込める。

    さらに、大型実車風洞では走行時の安定性やワイパーの拭き取り性能など安全に関わる実験を行うほか、クルマに風が当たって生じる風切り音を評価できるのが特徴だ。風路全域に吸音材を張り巡らし、計測部には吸音くさびを施すことで、全体を半無響室化。こうして高い静粛性を実現し、風切り音を計測している。
    開発車両の空力特性は、まずデザイン段階でコンピュータによるシミュレーションを行い、最終的に実物大のモックアップを大型実車風洞に持ち込んで検証する。クルマに沿った空気の流れ方やボディパネル表面の空気の圧力を測るなどして詳細に確認。それをもとに修正を繰り返しつくり込んでいくのだが、そんなデザイン決定の最終段階にこの場が使われる。つまり、快適かつ燃費のいいクルマづくりに、欠かすことのできない施設なのである。

    左:日産リーフは風切り音を減少することで静粛性を高めるとともに、空気抵抗の低減により電費を向上。

    右:大型実車風洞の全容模型。一周210mにわたるループ状の風路がある大型実験施設。

    愛車で訪れたい、美しい道 01 山口・角島大橋×スカイライン

    大型実車風洞で培われた日産の先進技術が、
    美しい道のドライブをより一層楽しいものにします。

    ※本記事は2015年8月29日時点の情報を元に作成されております。