4代目サニーの発売後、1年余りを経て追加されたサニー・カリフォルニアは、1981年の5代目サニー登場に合わせてモデルチェンジし、その後も7代目サニーまでラインアップ。初代はメインカラーのイエローのほかブルーメタリックなど爽やかで明るいボディ色が用意されていたのも特徴だった。
文:清水雅史(モンキープロダクション)
遊び尽くすために生まれた、
スタイリッシュな多機能ワゴン
1970年代、カリフォルニアを中心としたライフスタイルに若者が共感し、日本でわき起こったのが「西海岸ブーム」。明るく健康的なファッションやスポーツ、音楽などを手本として幅広く影響を受けたが、クルマもまた例外ではない。スポーツグッズや遊び道具をいっぱい積み込み、海へ山へと出かけられる、収納能力や使いやすさが求められるようになったのである。サニー・カリフォルニアはそんなニーズに応えて、77年デビューの4代目サニーをもとに登場。リヤウィンドウを寝かせたデザインがスポーティで、さらにウッディサイドパネルをオプションで用意するなど、若々しく自由なイメージも魅力のひとつだった。
こだわったのはデザインだけではない。セダンのように快適な乗り心地や、クーペを思わせるスポーティな運転感覚、そして新しいクルマの使い方を手助けする利便性など基本性能も磨き上げている。特に4ドアセダンよりも全長を延ばして、ゆとりある空間を確保した荷室は、当時まだ珍しかった左右別々に折りたためる後席により、多彩なシートアレンジが可能だった。サニー・カリフォルニアは、仲間や家族と過ごす時間をより豊かなものにしてほしいという思いが込められた、機能的でスタイリッシュなステーションワゴンの先駆けだった。
サニー・カリフォルニアとともに
時代を彩った日産車たち
年を追うごとに上級志向を強めたブルーバードは、この6代目でシンプル&クリーンをテーマに若返りを果たした。「ブルーバード、お前の時代だ」というキャッチコピーと真っ赤なボディカラーを前面に押し出し、1600〜2000ccクラスのベストセラーに返り咲いた。
ひと回り大きくなった2代目は、運転する楽しさと快適性を高次元でバランスさせたモデル。1980年には、中央部分を残してガラス製の左右ルーフを取り外すことができる国産車初のTバールーフ仕様車を設定。優れた安全性とオープンの開放感を両立し、フェアレディZの人気をさらに高めた。
1951年に登場した4輪駆動車パトロールの流れをくみつつ、ビジネスユースからレジャーなど、よりパーソナルな用途に向けて開発された初代サファリ。卓越した走破性を実現しながら快適装備を充実させ、乗用車感覚にあふれたインストルメントが特徴。SUVの源流にあるモデルだ。
※本記事は2018年8月3日時点の情報を元に作成されております。