多様化するユーザーのための新しいファミリーカーとして、2ドア/4ドア・セダンと2ドアハードトップを用意。510型ブルーバードの優れたメカニズムを継承し、伸びやかなボンネットと、ルーフからリヤウインドウにかけて滑らかに傾斜する流麗なフォルムを採用。
流麗なボディに収められた、
未来につながる技術。
バイオレットは、「誰にとっても扱いやすく、気の利いた親しみのもてるファミリーカー」として開発された。当時のキャッチコピーは「しなやかなクルマ」。それを体現した、豊かな曲面で構成されているエクステリアデザインは温かみを感じさせる。
デビューした1970年代は、大気汚染や安全性などクルマに関わる社会問題が叫ばれた頃だ。身近に咲く「スミレ」を意味するバイオレットという車名には自然との調和を大切にするという思いが込められており、エンジンの排出ガス対策を積極的に行っていた。同時に、衝突時のエネルギーを吸収し乗員を保護するボディ構造や、前輪ディスクブレーキ、コラプシブル(衝撃吸収式)ステアリングなど、安全性を高める技術も数多く採用した。このような環境性・安全性向上に対する真摯な取り組みは、その後もたゆまず続けられ、自動車の未来は切り開かれていったのである。
「人間中心設計」を謳ったインテリアは機能とデザインが融けあい、安全性、快適性、使いやすさを追求。インストルメントパネルは大型のソフトパッドで覆われ、丸型メーターを見やすく配置。機能的ながら、スポーティさを感じさせる。画像は当時のカタログ。
バイオレットとともに
時代を彩った日産車たち
4代目となりサイズアップが図られ、新たなネーミングが与えられた「ブルーバード U」。「U」は、「USER」の頭文字、そして「YOU」をイメージしたもので、「ブルU」の愛称で親しまれた。先代のあとを受け国際ラリーにおいて活躍。1973年の東アフリカ・サファリラリーでダットサン240Zに続き総合2位となる。
「ハイオーナーカー」を謳う初代のコンセプトを継承した2代目ローレル。性能や居住性などローレルのゆとりを表す「ゆっくり走ろう。ゆっくり生きよう。」という、クルマとして異色のキャッチコピーが話題に。1973年のマイナーチェンジでは、2.6Lエンジンを搭載したローレル初の3ナンバー車、2600SGLを追加。
3代目サニーはボディがひと回り大きくなり、さらなる居住性向上が図られた。上級グレードのエクセレントシリーズを充実させており、個性あふれる外観をもつ3ドアハッチバッククーペは、丸型3連テールランプがロケットの噴射口を想起させたことから「ロケット・サニー」と呼ばれた。
※本記事は2019年4月8日時点の情報を元に作成されております。