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    電力もクルマもシェアする、新しい都市の姿。

    自家発電を行い、電力供給バランスを街全体で管理し、環境と共生する柏の葉スマートシティは、日産リーフをシェアカーとして導入している。その必要性とは。

    柏の葉スマートシティは、2005年につくばエクスプレスが開通したのを契機に、本格的な開発が始められた。

     千葉県柏市の北部に位置する柏の葉スマートシティは、最新の電力技術とITを組み合わせ、電源を分散するスマートグリッドを国内ではじめて実現させた。敷地内の施設、マンションで使われる電力を電力会社からの供給と太陽光発電などで融通し合いピークカットにより省エネルギー、CO2削減を目指す。人に優しく、電気が止まる可能性がある災害時でも、皆が安心して暮らせて、多様な世代、分野、国籍の人びとが交わり、街全体でイノベーションを起こす活気のある街。そんな柏の葉スマートシティは、未来を見据える画期的なプロジェクトなのだ。
     現在およそ2,000世帯が暮らしているところを、2030年には約1万世帯が暮らせる街に規模を拡大していくために開発を進めている。

    効率よくクルマを稼働し、同時に環境にも配慮する。

     三井不動産の山下寛さんは、同社の各事業に共通するキーワードとして“シェアリング”が挙げられると言う。
    「柏の葉スマートシティならではのシェアリングを考え、効率よくクルマを稼働させられるシェアカーを導入しました。当初は自転車とバイクも展開していたのですが、16年の3月からはセカンドステージとしてシェアカーサービスのカレコ運営のもと、クルマに特化をしています」
     効率と同時に、環境にも配慮をしなくてはならない。故に、日産リーフ導入にこだわったと語る。
    「CO2を排出しないという点も重要ですが、日産リーフを緊急時の電源として位置づけたかったのです。これから柏の葉スマートシティはさらに成長します。現状でも子育て世代の送り迎えや旅行をはじめ、多くの方にさまざまな形でご利用いただいています。しかし、ここに住み、働く人が増えれば、さらにクルマとして、そして電源としてのニーズは高まると考えられます」
     この画期的なプロジェクトはエネルギーロスのない新しい都市のあり方を創造した。発達はどんどん加速度を増し、輪が広がりつつある。

    三井不動産 柏の葉街づくり 推進部 統括 山下 寛 Hiroshi Yamashita

    2013年より現在の職務に従事。おもにシェアカーに関連する事業を取りまとめている。日産リーフの採用を推薦した人物でもある。

    各施設の電力消費、蓄電設備の使用、電力会社からの受電状況をリアルタイムでグラフ表示するスマートセンター。この場所で電源をコントロールし、電力需要が集中する時間帯の供給電力量を低く抑える、ピークカットを行っている。

    電力融通装置と大規模リチウムイオン蓄電池が備えられたエネルギー棟。この蓄電池はエネルギー棟壁面と隣接する建物に設置された太陽光パネル等で発電した電力を、3,800kWh蓄えることができる。さらに災害時に稼働する非常用発電装置は1,000時間の連続稼働ができ、1時間あたり2,000kWhの電力をつくりだすことができる。

    写真左下にあるLEAF to Homeは、一般的なコンセントと接続されており、非常用の電源として利用することが可能だ。

    電力を融通し合うスマートグリッドの流れ

    オフィスや大学のキャンパスがある中核エリアのゲートスクエアは、平日に電力需要が高まるため、ららぽーと柏の葉(商業エリア)から電力を供給。休日はその逆。また、非常時には2つの集合住宅エリアの公共施設に電力を供給。自営の送電線を使い、必要な場所に必要な分の電力を融通することで、地域で電力料金の削減と防災力を高めている。

    ※本記事は2016年12月1日時点の情報を元に作成されております。