電気自動車の礎を築いた、2つの取り組み。
電気自動車の礎を築いた、
2つの取り組み。
電気自動車の日産リーフを発売するまでにはさまざまなテストが行われた。なかでも特徴的だったのが小型電気自動車ハイパーミニだ。同車のコンセプトは「人と街と一緒に暮らすパートナー」。車両開発に加え、横浜みなとみらい21 地区など、試験が行われた地域の住宅地や公共施設などに充電スタンドを設置。充電スポットならば乗り降りが自由という、現代のカーシェアリングを先取りするようなコンセプトも同時に提示されていた。
もうひとつがリチウムイオンバッテリーをいち早く搭載していたプレーリージョイEV。法人向けにリース販売され、さまざまなシーンで用いられたが、なかでもユニークな使用法だったのが国際北極観測隊への貸与である。排出ガスで調査データに影響を及ぼさないためには、ゼロ・エミッション車が気象観測には不可欠だった。プレーリージョイEVは、2000年から6年間、観測基地で働き続けた。
いち早く電気自動車時代の始まりを告げた日産リーフは、突如として生まれたわけではない。さまざまな実験と取り組みを行い、電気自動車を開発してきた背景があるからこそ、多くの人に愛されるモデルを生み出すことができたのだ。
1999年に神奈川県横浜市で行われていた実証実験の光景。直線基調の未来的なフォルムをもつハイパーミニが、ずらりと並んでいる。
環境への配慮とスペース効率の高さを両立させた、2人乗りEVコミューター。全長わずか2665mmのボディにはリチウムイオンバッテリーが搭載されており、一回の充電で約115km(10・15モード測定値)の走行が可能。高い衝突安全性を実現する、アルミスペースフレーム構造をもつ点も特徴だ。総生産台数はおよそ280台。
国立極地研究所北極観測センターの支援車として、極寒の気象条件下で6年もの間利用され、信頼性の高さを証明して見せた。
1997年、法人向けに30台のみリース販売された電気自動車。90年にソニーが世界ではじめて商品化したリチウムイオンバッテリーの採用を決定し、2年後に共同開発をスタート。プレーリージョイEVは、他に先駆けて高密度・軽量・長寿命という特性をもつバッテリーが搭載された世界初のクルマだった。
新次元の電気自動車として、ニッサン インテリジェント モビリティを象徴する第2世代のモデルへと進化。プロパイロット*1、プロパイロット パーキング*2など、最先端の自動運転技術を装備し、さらにe-Pedalによってストップ&ゴーを繰り返す街中でのイージードライビングも可能になった。EVの未来を創造する存在。
日産リーフの最新バッテリーは、さらなる進化を遂げている。バッテリーセル内の単位面積あたりの高密度化を図り、従来と同等のサイズで容量を40kWhまで拡大。航続距離400km*3を達成した。
※本記事は2017年12月5日時点の情報を元に作成されております。