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    日産の匠たち。

    TAKUMI 萩野 重行 Shigeyuki Hagino 実験技術開発本部 車両実験部 車両商品性実験グループ

    1982年に入社、実験部に配属される。4年ほどテクニカルセンターの風洞実験施設で空力の実験に携わった後に、現在の業務へ。89年からは、現在も担当する「見た目品質の向上」に取り組む。様々な車種に携わってきたが、特に最近手応えを感じたのはティアナとシルフィ。内外装の品質の高さは、市場でも評価されている。

    細部に目を光らせ、品質を上げる。

    「神は細部に宿る」という言葉がある。
    細かい部分をおろそかにしては全体の美しさは実現できない、という意味だ。萩野が取り組むのは、まさに細部に神を宿す仕事だ。たとえば、車体のボンネットとフェンダーの隙間が少し広がって見えるだけで、そのクルマの質感は大きく下がってしまう。
    ハンドルを握った時に手のひらに安っぽい感触が伝われば、それだけでクルマ全体のクオリティが低く感じられる。萩野が担当するのは、こうした細かい部分を上質に仕上げることだ。新型車の企画段階では、頭の中で「どういう形にするか」「どんな素材を使うか」というイメージをふくらませる。
    設計の段階に入ると、CG(コンピュータ・グラフィックス)の画面を見ながら、「ここに隙間ができる」「ここから配線が見えてしまう」というチェックを行う。生産が始まると、工場に出向く。ボディの

    隙間や部品の輝きといった細部が、自分の思った通りに作られているかを確かめるためだ。
    新型車が生まれる前からお客さまの手に渡るまで、萩野は細部に目を光らせる。わずかな色やツヤの違い。メジャーで測ってもわからないぐらいの小さな隙間。日産車のパーシブド・クオリティ(感性品質)を上げるのは、萩野の目だ。

    ニンジンの形をしたキャロットゲージで内装の隙間を確認。ヨーロッパにはこの手の繊細なゲージがないので、エンジニアへのお土産にすると喜ばれるという。

    ※本記事は2011年12月1日時点の情報を元に作成されております。