[TAKUMI] BACK TO TOP >

    more

    扉ページへ戻る >

    第一CAE 実験技術開発本部 車両実験部 音振性能実験グループ

    1982年入社。操縦安定性の実験部門に配属される。数年で、現在と同じ音と振動を評価する部署へ移る。
    以来、ほぼ一貫して静粛性、快適性を追求してきた。
    初めてプロジェクトのリーダーとして担当したフーガに、ANC(アクティブ・ノイズ・コントロール)※という技術を搭載したことが、記憶に残る仕事だったという。

    研ぎ澄まされた五感で、音と振動を評価する。

    栃木工場の敷地内に設置された、郊外路と呼ばれるテストコース。ドライバーがカーブでハンドルを切ると、後席に座る舟本達雄は「いま、ロードノイズ(タイヤと路面が接する音)が少し変わりましたね」と分析した。言われないと気づかないくらいの、ほんのわずかな変化だった。
    舟本は、車内で感じる音と振動を評価するスペシャリスト。運転席、助手席、そして後席で、五感を研ぎ澄まして音と振動に対峙する。舟本によれば、車内で聞こえる音の主な発生源は、エンジン音、ロードノイズ、車体が風を切る音の3つだという。
    「なかでも評価が難しいのはエンジンからの音ですね。エンジン本体の音もあれば、エンジンの振動が伝わって後輪の足回りから入ってくる音もあります。

    この音はこの現象によるものだ、と原因をすべて特定して、細かく評価するのが私の仕事です」
    音と振動の評価は、舟本の感性で評価する官能評価と、計測機器を用いる定量評価の2つがある。この2つに差がある場合、最終的には舟本の官能評価をもとに開発を進める。舟本は、「快適な車内空間を求めるお客さまの期待に応えたい」と語る。
    日産は、ただ静かにするだけでなく、心地よい音を届けるという領域に踏み込んでいる。数値化できない「心地よさ」を追求するには、舟本の官能評価が今まで以上に重要となるはずだ。

    ※本記事は2014年7月22日時点の情報を元に作成されております。