冬のメンテナンス方法は、寒い地方のサービス担当者に聞くのが一番。今回は山形日産のTA(テクニカルアドバイザー)、松田里美が指南します。
写真:殿村誠士 文:サトータケシ イラスト:フジマツミキ
山形日産自動車株式会社 米沢店 サービス課
テクニカルアドバイザー
松田 里美
専門学校で自動車整備を学び、メカニックとして勤務した経験もあることから、専門知識も豊富。日産の全国サービス技術大会で、昨年は東北大会出場、今年は東北代表として全国大会に出場しました。
雪の多い地域で自動車通勤をしているので、スタッドレスタイヤの大切さはよく知っています。スタッドレスタイヤの性能が落ちると、怖くて走れません。「溝が残っているから大丈夫」という方もいらっしゃいますが、スタッドレスタイヤは残り溝が新品時の50%以下になると冬用タイヤとしてはお使いいただけません。溝が残っていても、使用年数や使い方によってゴムが硬くなり、性能が低下していることもあるのでご注意ください。
タイヤ交換時には、同時にブレーキなどに異常がないかも確認できます。メンテナンスも兼ねて、タイヤ交換は販売店にお任せください。
米沢市内では、冬になると最低気温がマイナス5度ぐらいになります。寒さのせいでバッテリーの性能が落ちるので、バッテリーのトラブルが増加します。ぜひ、寒波が訪れる前にバッテリーを点検してください。アイドリングストップ装置が備わるモデルやハイブリッド車など、最近のエコカーは専用バッテリーでないと期待通りの性能を発揮しないケースがあります。バッテリーの点検や交換は販売店で行うと安心です。
バッテリーの点検には、専用のテスターが必要です。それほど時間のかからないシンプルな作業なので、気軽に販売店まで足をお運びください。
冬になると、大通りだけ雪が溶けていて驚くことがあります。融雪剤が撒かれているのです。塩化カルシウムが含まれる融雪剤が付着すると、下回りが錆びる原因となります。しかし、寒い時期になかなか洗い流すことはできませんよね。そこでオススメしたいのが、下回りのコーティング。効果は絶大で、施工したクルマとそうでないクルマを比べると、2~3年で明らかな違いが生まれるほどです。
下回りのコーティングは、融雪剤だけでなく潮風による錆の防止にも効果的です。海の近くにお住まいの方や、釣りやサーフィンを楽しまれる方にもオススメします。
まだご存じない方に、ぜひ試していただきたいのがこれ! 毎日クルマで通勤する私にとって、ウインターブレードは冬の必需品です。普通のワイパーと違ってブレード全体がゴムで覆われているので、関節の部分が凍結することがありません。したがって吹雪の中を走っても、滑らかに作動してきれいに窓を拭き取ってくれるのです。普通のワイパーだと、ぎくしゃくした動きのせいで、吹雪がひどい時などは拭き残しが生まれてしまいます。私は念には念を入れ、今年もウインターブレードに交換しました。
ご覧のように、ブレード全体がゴムで覆われています。ワイパーブレードは、車種によって長さや形が異なります。交換する時には、ぜひ販売店にご相談ください。
※本記事は2013年12月10日時点の情報を元に作成されております。