日産は、はじめてイチからつくり上げた軽自動車、新型日産デイズを発売した。
開発を指揮したチーフ・プロダクト・スペシャリストの田川博英が語る。
田川博英
商品企画本部
チーフ・プロダクト・スペシャリスト
新型日産デイズの企画当初から発売に至るまで指揮を執ってきた、生みの親と呼べる情熱的な人物。従来を刷新し最善を尽くすために、とにかくやれることはすべてやったと、同車に太鼓判を押す。
新型日産デイズは、日産が開発を主導したはじめての軽自動車。国内の成熟された軽自動車市場における、日産の新たなチャレンジだ。
「いまや日本で販売されるクルマの4割が軽自動車です。この大きなマーケットで、現在の日本で求められているものをつくろうという意識が生まれ、今回の開発に至りました。
2014年7月から開発がスタートし、それから1年間、私は先代・日産デイズの開発拠点があった愛知県岡崎市に住みました。その間、多くの軽自動車のオーナーさんとお会いする機会があり、話を聞くと、近辺の移動だけで事が足りる都市とは異なり、高速道路を使って遠出をすることも多いとのこと。そういった方々によりよい安心・安全と快適な走りを提供したいという想いが、開発の前提としてありました。さらには軽自動車の枠にとらわれない理想的なコンパクトカーにすることを目指しました。威風のあるエクステリアデザイン、使いやすさとルーミネスを両立したインテリアデザインは、軽自動車ってこんなもんだよね、とは言わせない仕上がりになっています。日常のパートナーとして愛着がもてる軽自動車をつくりたかったのです」
まずはベンチマークとなるクルマの細部をくまなく確認、検証を行った。 「軽自動車には定められた規格(全長が3400mm以下でエンジン排気量が660cc以下など)が存在します。その条件のなか、4人がゆったり乗れて、荷物もしっかり載せられる広い室内があり、さらに低燃費で静かに気持ちよく走るといった要件を満たすには、設計やパーツにとことんこだわる必要がありました。例えば、遮音性。一定の速度に達するとエンジン音が車内に響き、不快だという声が多く、吸音材をいろいろな場所に設置したり、エンジン、トランスミッションも新型日産デイズ専用に開発しました。一部分ではなくすべてをよくし、それらの調和によって感じられる品質のよさを追求したかったのです」と田川は語る。
”新しい日本の新しい軽”は、彼の挑戦心とそれに応えた日産の総力によって生み出されたのだ。
新型日産デイズのテーマは「新しい日本の新しい軽」。その言葉通り、空間/居住性、機能面、走り、デザインといったすべてを見直し進化させた。これまで味わうことのなかった、ワクワクを引き起こす軽自動車で、さあ出かけよう!
新型日産デイズは軽自動車以上の軽自動車。
骨格からきちんと見直した上でつくられているので、
従来になかった視界、空間の広さを確保している。
さらにプロパイロットを搭載したことで、
より安心して、行きたいところへ行けるクルマへと生まれ変わった。
デザインにおけるキーワードは、「精巧さ」「躍動感」「信頼感」。ただの箱ではなく、どの角度から見ても、全体がひとかたまりに感じられ、躍動感が感じられる動きや流れがあること。ボディ曲面を豊かにし、立体感を出すことで、しっかりとシェイプアップされたクールかつ先進的で、安心感のあるフォルムに仕上げた。
※グレード別設定。※画面はハメ込み合成です。
※メーターなどの表示は機能説明のためのイメージ画像です。
インテリアのデザインは洗練されてスマート。「乗っていて楽しい」「乗っていて心躍る」ような工夫を施すことにこだわった。例えば、インストルメントパネルは上下で2分割し、上部が浮いているかのように見せるデザインで、空間の広さを感じる演出をした。また、直感的に使えるタッチパネル式のオートエアコンスイッチやエクステリアのディテールと同調したモチーフと精密な3Dパターンなど、細部にまでこだわりぬき、軽自動車とは思えない上質な空間が実現できた。
必要なものを車内に置いておきたいという方は少なくないだろう。ただ、それを収めておく収納が以前は足りず、床に置いておくというケースも多かったようだ。新型日産デイズは、使い勝手のよいたくさんの“隠せる収納”を充実させた。パーシブドクオリティ(感性品質)の視点で、形との整合性に注意しながら、分割線が目立ちにくい工夫を随所にし、ぱっと見てすっきりしたデザインに仕上げた。車内に持ち込んだ小物やドリンクがきちんと片付く収納も両立し、助手席側にはグローブボックスの上にスライドボックスがあり、そこには薄型のティッシュボックスを収めることが可能。助手席のドアパネル裏には車検証がぴったりと入るポケットをつくり、グローブボックスにはほかのものを収納できるようにした。
軽自動車でありながら、大人4人でも余裕で座れる十分な室内幅を確保。さらに、後席足元のゆとりは脚を組んで座れるほどに。その要因は、先代比でホイールベースを65mm延長させたことにある。また、フロア部には段差がないため、足元に窮屈さを感じさせず、左右の移動もスムースだ。
両側ドアパネル裏には、カップホルダーとスマートフォンが収まるサイズのポケットが用意されており、後席の収納も十二分。
シート*は、洗練されたエボニーとネイビーカラーのアクセントとモノグラムの入った市松模様がファッショナブルな印象を与える。
* 内装色:エボニーはハイウェイスターのみの設定
高速道路の渋滞走行と長時間の巡航走行で、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作をアシストしてくれるプロパイロットを、軽自動車として初搭載*2。
これによって“一歩先”へと気軽に行くことができるようになった。
チーフ・プロダクト・スペシャリストの田川は「プロパイロットによって、高速道路での運転に安心感を与えられる。これまであまり高速道路に乗ってこなかった人でも、少し遠出をしてみようと思ってもらえたら嬉しい」と語る。
*1 グレード別設定。●プロパイロットは高速道路や自動車専用道路で使用してください。プロパイロットはドライバーの運転操作を支援するためのシステムであり、自動運転システムではありません。安全運転をおこなう責任はドライバーにあります。●わき見運転やぼんやり運転などの前方不注意および雨・霧などの視界不良による危険を回避するものではありません。先行車との車間距離、車線内の位置、周囲の状況に応じてアクセル、ブレーキ、ハンドルを操作するなどして、常に安全運転を心がけてください。●システムの能力には限界がありますので、システムだけに頼った運転はせず、常に安全運転を心がけてください。●プロパイロットの操作方法や重要な注意事項などが記載されていますので、ご使用前に必ず取扱説明書をお読みください。
*2 約0〜100km/hの範囲で走行時の車間および操舵制御を搭載した軽自動車が初。2019年2月現在日産調べ。(他社にも同じ装備のクルマがあります)
※本記事は2019年4月8日時点の情報を元に作成されております。