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    運転免許取得後、ディーラーのメカニックとして働きながらラリーなどのモータースポーツに参戦する。縁あって日産に入社、耐久試験を担当。その後、商品性評価を担当し、コストや競争力分析など、幅広く自動車を学ぶ。1989年デビューのR32型からGT-Rの評価を行い、一貫して、GT-R、フェアレディZ、シルビアなど、スポーツ&スペシャリティ車の評価を専門としてきた。現在、R35型とZを担当。

    日産人の誇り 日産人の誇り

    松本 孝夫 Takao Matsumoto カスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部
    カスタマーパフォーマンス&車両実験部
    車両商品性実験グループ

    年齢や職業を想像し、オーナーになり切って車両を評価する。 年齢や職業を想像し、オーナーになり切って車両を評価する。

     NISSAN GT-Rが轟音とともに、凄まじいスピードで目の前を通過していく。ここは日産自動車栃木プルーピンググランドだ。1周6.5kmのコースを速度制限なしで走れるドライバーは社内に数名しかいない。松本孝夫はそのうちの1人であり、GT-Rの走りの“味付け”を決めた男でもある。
     松本は言う。「加速タイムが目標に達することは当たり前。自分はさらにその先の感覚的な部分を評価します」
     たとえば加速タイムが同じでも、トルクの盛り上がり方を微妙に調整することで、心地よい加速が実現できるのだという。トランスミッションも素早く変速するだけでは不十分。「マニュアルシフトの達人のように、

    なめらかかつ電光石火の変速が目標です。そこは数値では表現できません」。若い頃からモータースポーツに親しみ、自分で部品をバラしては組んでいた松本は、どこをどう直せば理想のフィーリングに近づくのかがわかるのだという。
     松本は、自身を「お客さまの代わりです」と表現する。GT-Rを購入される方の年齢や職業、家族構成までイメージして、オーナーになり切ってテストを行っているのだ。だからこそ、GT-Rは速いだけでなく、感動を与えるクルマに仕上がっているのである。

    文:サトータケシ
    photograph by Seiji Tonomura

    ※本記事は2017年8月4日時点の情報を元に作成されております。