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    学生時代は航空工学を専攻し、1983年に日産自動車へ入社。車体実験部に配属され、空力実験を担当する。その後、イギリスの日産テクニカルセンター・ヨーロッパ社の立ち上げや、アメリカでの燃料電池車の開発、電気自動車のパワートレイン開発など、実に幅広い業務を経験。「これまで取り組んできた様々な業務は、あらゆる車種を扱う今の仕事に活きています」と話す。

    日産人の誇り 日産人の誇り

    大島宗彦 大島宗彦 企画・先行技術開発本部
    先行車両性能開発部 エキスパートリーダー(空気流・熱マネージメント)

    ストレスを減らし、
    車内を寛げる空間にするために。

    走行中の車体に空気が当たり、その流れによって発生する音を、日産では風音(ふうおん)と呼ぶ。それをできる限り抑え、静かにする取り組みの責任者が大島宗彦だ。大島はその目的について「耳障りな音を抑えればストレスが減り、車内が静かになれば会話もスムースになります」と語る。

    風音の計測は大型実車風洞という施設で高速走行する状態を再現し、人間の耳と機械を用いて行う。風音を大きく左右するのが部品の設計。ほんの小さなゴム部品がミリ単位で変形することでも影響があるのだと言う。

    「部品の設計は、とにかく正しさを追求しています。正確な組み立ても必要なので、生産部門との連携が不可欠。世界中の工場を回り、意見を交換しながら改善に努めています」

    特に大きな苦労をしたのが電気自動車、日産リーフ開発の折なのだそうだ。

    「エンジンの音がないため風音が目立つようになったのです。しかしおかげで、エンジン音で隠れていた低周波の風音を消すノウハウは、世界でもトップレベルになったと自負しています。他部署とコミュニケーションを密に取り、しっかりと体制を整えてきた成果だと考えています」

    クルマは今後、電動化と自動化が進む。より静かで、会話が弾み、ドライバーが寛げる空間にするために、大島の仕事はさらに重要になるはずだ。

    文:サトータケシ
    photograph by Seiji Tonomura

    ※本記事は2019年8月28日時点の情報を元に作成されております。