世界中で高い評価を受けるクルマを送り出すため、日産にはいくつもの試験場があります。
優れた走行性能の実現を目指し、世界トップレベルの厳しい現場でテストが繰り返されます。
カントリーロードは右側通行。道路標識や反射板などもドイツ製を使用。250km/h以上で走行可能な一周約8kmの高速周回曲線路も設けられる。
ヨーロッパの道路は、ドライバーに過酷な一面を見せることがある。たとえば、ドイツでは曲がりくねった狭いカントリーロードを高い速度で走り、クルマ同士がぎりぎりですれ違うことも少なくない。また、アウトバーンと呼ばれる高速道路には速度無制限区間があり、行き交うクルマのスピードは日本よりずっと上だ。北海道陸別試験場には、こうしたカントリーロードやアウトバーンを模した試験路が、東京ドーム150個分の広大な敷地のなかに設けられている。上り坂、下り坂、大小さまざまなカーブが連なったカントリーロードは、一周約7.2km。ドイツの郊外路を再現したコースだから、スカイラインが右車線を走ってくる。
運転に緊張が伴うような厳しい環境を想定したコースをもつ北海道陸別試験場は、グローバルなクルマづくりを行う日産にとっては欠かすことのできない、走りを磨くための施設である。
現在は車両の開発段階における解析や改善のための実験を中心に行い、最終的な評価実験はドイツやアメリカの公道でも行っている。さらに、寒冷地であることも試験場の大きな特徴だ。冬季はマイナス20℃を下回るときもあり、12月から3月までは、圧雪路や氷結路におけるテストなどができる。
こうした走行試験を積み重ねていくなかで、すべての日産車が実現を目指しているのは、安心感のある走り。どのような国・地域であっても、天候に左右されることなく、いつでも安心して走れることが大切なのである。これに加えてもうひとつ大切なのが快適に移動できること。このふたつを実現しているからからこそ、クルマを意のままに操れ、走りの楽しさを満喫することができる。
安心と快適、これを実現するために日産の先進技術はある。その開発にあたって重要な役割を担っているのが、北海道陸別試験場のコースなのだ。
冬季は一面雪に覆われる厳しい環境で、走行性能や耐久性のテストが行われる。圧雪路では雪道における操縦安定性や乗り心地などを確認。
氷結路では凍った路面での制動、発進、走行中の安定性などをテストし、直線路のほかに交差点を模したテスト路も用意。さらに凍った坂道、湿った雪が積もるシャーベット路などもある。
※本記事は2015年8月29日時点の情報を元に作成されております。