[SERENA-FEATURE] BACK TO TOP >

    more

    世相の変化に伴い、セレナも進化しました。

    初代SERENA
    1991年
    初代SERENA

    発想のイノベーションによって生まれた、ミニバンの先駆的存在です。

    商用車のバネットがもっている居住性、積載性を乗用車に活かすという、これまでになく、さらに当時のトレンドとも異なる発想のイノベーションによって生まれたのが初代のセレナだった。コンセプトは「乗る人すべてに楽しさ、快適さを提供する新世代のファミリービークル」。いまでは定番となった5ナンバーミニバンの先駆け的存在。

    パワフルなツインカムエンジンを搭載し、リヤサスペンションに操縦安定性を高めるマルチリンク式を採用。走りにおいても当時の最新技術が盛り込まれていた。

    2代目SERENA
    1999年
    2代目SERENA

    名コピーを生んだ8年ぶりの2代目は、より家族に優しくなりました。

    「モノより思い出。」というキャッチコピーが用いられたのが2代目。初代はドライバーシート後方下部にエンジンが搭載されるミッドシップレイアウトを採用していたが、2代目以降はFFとなり商用モデルを廃止。乗用車のみに限定した。デザインも刷新されヘッドライトが大型化するなど、押し出し感が強いフロントフェイスになった。

    ハード面が大きく進化した2代目。
    多彩なシートアレンジを可能にするマルチスライドシート、より乗り降りをスムーズにする両側スライドドアが採用された。

    3代目SERENA
    2005年
    3代目SERENA

    快適性をさらに向上させることで、セレナをミニバンの王道に導きました。

    「ビッグ3列、ファン8人」というテーマのもとにデザインされ、さらに快適性が向上した3代目。主張しすぎないマイルドなエクステリアデザイン、シートをたためば自転車を4台まで積むことができる広々とした空間。多彩な機能が人気を集め、発表から2年でミニバン販売台数ナンバー1※を樹立。
    ※セレナの2007年(1-12月)国内新規登録台数77,544台(自販連調べ)。ミニバンとは、3列シート国産車を指す

    2代目と比較するとホイールベースが165mm延長。シートアレンジを駆使すれば、キャビンにベビーカーなどの幅がある荷物も載せられるようになった。

    4代目SERENA
    2010年
    4代目SERENA

    3代目のコンセプトはそのままに、環境性能に磨きをかけました。

    3代目から採用されている、フロントドアパネルからリヤにかけてせり上がるユニークな「シュプールライン」を中心に、先代のコンセプトを守りつつ、より上品に仕立てられた4代目。3代目と比べると三角窓からの見晴らしがよくなったことで、ドライバーシートからの視界が広くなり、歩行者などの視認性も向上した。

    室内空間を維持しながら燃費向上を両立させる、スマートシンプルハイブリッドが2012年8月に追加され、クラス“ナンバー1の低燃費を実現。※2.0Lクラスの8人乗りミニバン(3列シート車)。(2012年7月現在 日産調べ)

    NEWSERENA
    ミニバンへのこだわりと挑戦心で誕生した、5代目セレナ
    すでに成熟しているモデルをさらによくするにはどうすればいいのか。開発の裏側にはさまざまな新しい発見、こだわりが見えます。

    世代をわたるごとに、進化を遂げてきたセレナ。新型はエクステリア、インテリア、室内空間の刷新だけでなく、新しい機能も充実している。たとえば、2パターンの開閉ができるデュアルバックドアを標準装備し、ハイウェイスターにはスライドドアの下に足先を入れると自動でドアが開くハンズフリーオートスライドドアといった便利な機能も追加された。
    「4代目は広い視界を確保するために、3代目よりもフロントウインドウを100mmほど前に出し、フロントピラーを限りなく細くしました。当時はそれが限界だと思っていたんです。新型はそれらをさらに強調することに成功したものの、利便性だけを追求するとデザインが崩れてしまう。そのバランスを見極めることにとにかく苦心しました」。そう語るのはエクステリアデザインを統括した相川正樹だ。すでに完成されているパッケージからアップデートさせるには、試行錯誤が必要だったと開発担当者たちは一様に話す。

    セレナをさらに進化させるためには、さまざまな試行錯誤が必要でした。

    ミニバンという枠のなかで、最大限できることとは何か。

    「まず限られたスペースのなかで考えられるシート、空間の広さは、誰が考えても同じという概念を壊すことからスタートしました」とパッケージング(室内空間)開発担当の杉村樹之は既成概念打破への挑戦を振り返る。
    「非接触センサーを使うからこそ、お客さまの操作を確実に検知し、それ以外の誤検知は完璧に防止しなくてはならない」と言うハンズフリーオートスライドドア開発担当の峰村さつきは、お客さまを戸惑わせないシンプルな操作への追求にこだわった。
    「ミニバンユーザーが訪れそうな施設に行き、改めてラゲッジの利便性を検証した」と語るデュアルバックドア開発担当の永井啓介は、買い物などの日常の用途ではラゲッジが逆に広すぎること、狭いスペースでは大きなハッチを開閉しにくいことに気づき、デュアルバックドアを思いついたと言う。
    日本ですでに定着しているミニバンという枠を最大限に活かし、できることを徹底的に検証する。それぞれが熱い想いをもち寄り、それらの結合体として新型セレナは誕生したのだ。

    グローバル戦略を採用した、威信をかけたデザイン

    「ボディが地面に対して踏ん張っているように見えると、クルマは格好よく見えます。スポーツカーがその頂点であり、ミニバンは対極にある存在」。ミニバンというカテゴリーがもつルールを守りつつ、押し出し感を強調しながら女性が乗っても恥ずかしくない品格を兼ね備えることがデザイナー相川の挑戦だった。フロントフェイスのデザインの基調となったのは、世界中で走る最新の日産車に採用されているV字モチーフのフロントグリル。新型セレナは、グローバルデザイン戦略が反映された威信をもつモデルとして生まれ変わった。

    セレナらしさを継承しながらも、より押し出し感のあるデザインに。

    引き算によって生まれた、彫刻的な立体感。

    新型では、ボディサイドを走るキャラクターラインを強調する工夫が施されている。「ボディサイズのぎりぎりまでキャビンになっているクルマは、造形として使えるボディ断面がほとんどない」とデザイナーの相川が言うとおり、その工夫の方法は足すことではなく、引くことにあった。ミニバンらしい箱感を残しつつ、キャラクターライン下や前後フェンダー上などの細部をえぐることで彫刻的な立体感を与えた。リヤピラーを視覚的に感じさせないデザインがフロントからリヤへと鋭く流れていくルーフラインにスポーティさも与えている。

    視界の向上に役立つ、ドライバー周りの細かな工夫。

    新型セレナは、フロントのガラスエリアを少しでも広くするために、メーターディスプレイが横方向にデザインされた。三角窓からの視界をよくするために、三角窓手前側のピラーを黒くし奥側を目立たせるといった細かな工夫が施され、ドライバーシートからの見晴らしをさらに向上させている。

    フレキシブルにスライドする、2列目シートの可能性。

    開発担当の杉村は「どこに座っても快適に過ごせるようにするには、2列目シートをもっとフレキシブルに動かせるようにしなくてはならなかった」と語る。新型の2列目シートは最大で690mmのスライドを可能にし、それに加え、左右席に横方向のスライドを採用したことで前後、左右の自由度が増した。

    スライドドアのハンズフリー化で、ストレスを軽減。

    「両手に荷物を持っていたり、傘をさしている状態だと、スライドドアは非常に開けにくい」ということに気づいた開発担当の峰村は、よりお客さまのストレスを軽減したいという想いのもと、ハンズフリーオートスライドドアを開発した。インテリジェントキーを持って足先をスッと入れサッと引くだけで、ロックも解除されてオープンする。

    すべてを見直し、さらなる快適さを目指した。

    狭い空間でも開け閉めできる、バックドアの新しい提案。

    ハッチ全面とガラス部分(=ハーフバックドア)だけを開閉できるデュアルバックドア。「小柄な女性でも軽々と開閉できること、開ける際の心地よいスピード、ドア開口時のほどよいドアの高さ、ハーフバックドアを開けた際の突出量を少なくすることにこだわりました」と開発担当の永井が語るとおり、狭い駐車場や車庫で特に効果を発揮する。

    ※本記事は2016年8月3日時点の情報を元に作成されております。