どんなドライバーでも快適に、そして安全に運転を楽しむことができるよう、日産のクルマは数多くの先進技術を採用しています。エクストレイルもそのひとつ。好評を得ている技術・装備を継承しながら、最新テクノロジーの搭載でSUV性能を磨き上げました。
写真:郡 大二郎
商品企画本部 商品企画室 チーフ・プロダクト・スペシャリスト
塚田 健一
エクストレイルの商品企画を担当。豊富なシャシー関連の開発経験も活かし、本当に便利で使いやすいと感じられる商品開発を心がけた。
エクストレイルのキーワードは「継承と進化」。このクルマの開発においては、お客さまから既に支持されているいいものはそのまま残した上で、新しい技術による進化を追求した。もともと乗り心地のよさや、路面を選ばない走行安定性には定評のあったエクストレイルだが、その万能型のコントロール性と快適性を、さらに一段上の高みにステップアップさせるためには、世界初を含む最先端のシャシー制御技術が必要不可欠。「継承と進化」を具現化し、日々の生活から険しい山道まで、あらゆるシーンでストレスフリーなドライビングを実現する最新テクノロジーの一部をご紹介しよう。
コーナー進入時やブレーキを踏んだ時にエンジンブレーキを付加することで、ドライバーがブレーキ操作を行う負荷を減らし、イージードライブをサポートする技術。たとえば、少し速いスピードでコーナーに入った場合、エンジンブレーキが付加されるので、アクセルペダルとブレーキペダルを踏み替える頻度が減り、スマートな運転を行うことで疲れにくい。
アスファルトが大きくうねったり、急な段差がついているような幹線道路。あるいは整地されていない峠道など。そんなデコボコ道を走る際に、アクセルを踏んだままでもエンジントルクとブレーキを自動制御することで、ボディの不快な動きを最小限に抑えてくれる。荒れた路面での乗り心地が大幅に向上し、ドライブのストレスも軽減。
コーナーの曲率が強かったり、オーバースピード気味だったりした時、大きな横Gが掛かってクルマはコーナー外側にふくらみがち。そんな時に4輪のブレーキを最適制御することで車両の動きを滑らかにし、進入時だけでなくコーナー出口のライントレース性も向上。意のままのコーナリングを実現。
シート表皮とフロア、ラゲッジルームに施した防水仕様は、エクストレイルの代名詞。シートが濡れてしまっても、さっと拭くだけで簡単キレイ。新たに採用されたフレキシブルラゲッジのボードは取り外して丸洗いも可能だ。
定評のある4WDシステムをしっかり継承。ハンドル操作の角度やクルマの動きに応じて、前後のトルク配分を自動制御するヨーモーメントコントロールも受け継がれている。雪道などの滑りやすい路面でも、ドライバーが走りたいとイメージする理想の走行ラインをサポートする。
アウトドアシーンの頼れる相棒として人気を博してきた歴代エクストレイル。「タフギア」としての魅力はそのままに、先進の安全装備の数々を搭載することで、安心感がさらに増した。前を走るクルマや歩行者を検知した場合、警報でブレーキ操作を促し、安全に減速できないと判断した場合は自動的にブレーキがかかるエマージェンシーブレーキを採用。また、駐車場など低速走行時に効果を発揮する踏み間違い衝突防止アシストのように、センサーやカメラを利用した先進安全装備を多数採用している。ここでは機能性と走行性能の向上だけでなく、安全・安心という視点からエクストレイルの進化をご紹介しよう。
電子技術開発本部 IT&ITS開発部 ITS先行・製品開発グループ
井上拓哉/後閑利通/笈木大介
エクストレイルだけでなく、多くの日産車に多機能な先進安全技術を搭載すべく、研究を積み重ねているグループ。スカイラインの安全装備も担当した。
現在、クルマの安全技術は驚くような速さで進歩しています。その一方で、お客様の安全性に対する関心も高まっており、私たちが手掛ける仕事の重要性を感じています。走行データを解析し、システムの精度を向上させるために、一日中テスト走行を繰り返すこともあります。
フロントカメラにより道路上のレーンマーカーを検知。ドライバーが意図せずにクルマが車線を逸脱しそうになると警報を発し、ディスプレイ表示でも注意を促すことで安全運転を支援する。車線変更などでドライバーがウインカーを操作した場合、警報は鳴らない。BSWとともに、側方安全支援の重要なシステムのひとつである。[グレード別設定]
ルームミラー部に取り付けられたカメラで車両前方を監視。前を走るクルマとの間隔を検出しており、距離情報から減速操作が必要であると判断すると警報を発して注意を喚起し、それでも近づく場合はブレーキがかかる。さらに衝突の可能性があると判断した場合は、緊急ブレーキを作動させる。ブレーキ時には、ブレーキランプも点灯する。[グレード別設定]
エマージェンシーブレーキは、約10~80km/hの範囲で作動します。停止している車両、または歩行者に対しては、約60km/h以上では作動しません。また30km/h以下で衝突回避の能力があります。認識性能には限界があり、また道路状況や天候等によっては、システムが作動しない場合があります。
ドライバーの死角で並走するクルマが検知された場合、Aピラーに装着されたLEDライトが点灯する。点灯時にウインカーを出して、並走するクルマがいる方向に車線変更を行おうとした場合、警報音により注意を喚起する。リヤビュー用カメラを同システムに使用するのはエクストレイルが日産初※となる。[オプション設定]※2013年9月現在 日産調べ。
前後バンパーのソナーで壁や車両などを検知することで、ブレーキとアクセルペダルの踏み間違いによる急発進を防ぐ。障害物を検知した場合、アクセルを全開に踏み込んでも急加速を抑制、ブレーキを踏めない場合は自動でブレーキがかかる。車速と壁までの距離、アクセル開度などを総合的に検知しており、通常の駐車を阻害することはない。[グレード別設定]
2000年にデビューした初代は、新開発の4WDシステム「オールモード4×4」を搭載。スポーツ性とユーティリティを両立した革新的なSUVとして人気を集めた。2007年に登場した2代目は初代のDNAを受け継ぎつつ、進化した。
※本記事は2013年12月10日時点の情報を元に作成されております。
運転に関わるストレスを解消することで、快適性をさらに高めたい。そんな思いから最新のシャシー制御技術を導入しました。いままでのオーナーさまにも、新しいオーナーさまにも、エクストレイルに信頼感を抱いていただけたら幸いです。