日産車の魅力はどこにあると思われますか。私は、それぞれのクルマがキャラクターをもつ点にあると思います。スローライフを提案した日産キューブ、超高性能のNissan GT-R、世界初の量産型電気自動車、日産リーフなどすべてのクルマが豊かな個性をもっています。個性を表現するうえで大事なのがデザインです。デザインの責任者として私が心がけていることは、ユニークでありながら幅広いお客さまに愛されるデザインを生み出すことです。わかりやすい例が日産ジュークです。個性的なデザインが、世界中の人々から愛されています。このような日産らしいデザインが生まれる理由のひとつに、世界の4カ所の拠点でグローバルにデザインを行っていることが挙げられます。デザインに携わる約800名のスタッフの国籍は、20カ国以上。さまざまな視点や文化的な多様性があることで、より世界に通用する強いアイデアが生まれるのです。日産のデザイン部門がどのように活動しているか、ご案内しましょう。
文:サトータケシ
中村史郎
常務執行役員
チーフクリエイティブオフィサー
武蔵野美術大学卒業後、いすゞ自動車へ入社。1999年に日産自動車へ移り、2000年よりデザイン本部長、01年より常務執行役員、06年より現職。「違う文化をもったデザイナーと様々な考えのデザインをまとめる、音楽で言えば指揮者のようなもの」と自らの役割を語る。
日産デザインチャイナが中心となってデザインしたコンセプトカーを、今年の上海モーターショーで公開した。自動車への感度が高い中国の若い世代に向けてデザインしたスポーティで個性的な内外装が特徴だ。
2013年のデトロイト・モーターショーで発表されたコンセプトカー。デザインの担当はサンディエゴの日産デザインアメリカ。未来的なデザインは、ハイブリッドシステムの先進性を表現する。
※本記事は2013年5月23日時点の情報を元に作成されております。